夏真っ盛り!熱中症に気をつけましょう。
梅雨も明けて、毎日暑い日が続いています。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
こんな季節、増えてくるのが熱中症です。
テレビなどでも熱中症という言葉を聞く機会が増えるのではないでしょうか。
では、熱中症とはどのような病気なのでしょう。
熱中症とは
熱中症とは、熱によって引き起こされる体の様々な不調の総称であり、暑さで体内の水分量や塩分量のバランスが崩れることが原因となります。
熱中症には様々な症状があり、また熱中症自体もその原因や症状により分類されています。
水分・塩分補給の目安(1)日常生活における水分補給:通常の生活では食事等に含まれる水分を除いた飲料として摂取すべき量は1日あたり1.2㍑を目安とする。(2)運動時や作業時の補給:水分の補給量は体重減少量の7~8割程度が目安となる。体重の2%以上の脱水を起こさないように注意する。大量の発汗がある場合は、スポーツ飲料などの塩分濃度0.2%程度の水分を摂取する。作業前:コップ1~2杯程度の水分・塩分を補給する(コップ一杯200ml)作業中:コップ半分~1杯程度の水分・塩分を20~30分ごとに補給する。作業後:30分以内に水分・塩分を補給する。(3)飲酒時の補給:アルコール飲料は利尿を促進するので、飲酒後は水分・塩分を、十分に補給する。(4)空調装置使用時の補給:空気が乾燥するので、こまめに水分・塩分を補給する。日本生気象学会 「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3 より
2)日常生活における熱中症予防指針
温度基準(WBGT) 注:WBGTは通常の気温とは異なります。
危険(31℃以上)
注意事項:高齢者では安静な状態でも熱中症の発生する危険性が大きい
外出はできるだけ避け、涼しい室内に移動する必要がある。
厳重警戒(28℃以上、31℃未満)
注意事項:外出時は炎天下を避け、室内の気温上昇に注意する。
警戒(25℃以上、28℃未満)
注意事項:運動や激しい作業を行う時は定期的に十分な休息をとる。
注意(25℃未満)
注意事項:一般に熱中症の発生する危険性は少ないが、激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
URL: http://seikishou.jp/heatstroke.html
特に小児、高齢者は熱中症になりやすい
小児や高齢者は以下の理由により、特に熱中症になりやすく注意が必要となります。
小児や高齢者は、熱中症弱者としての認識が重要です。
・小児は汗腺の発達や、自律神経が未熟なため、体温調節機能が成人と比べて弱いです。また、身長が低いため地面からの輻射熱の影響を受けやすくなっています。
・高齢者は持病のある方は、自律神経の機能が低下しており体温調節機能が弱くなっています。また、高齢者の場合、全身に占める水分の割合が低くなっており、容易に脱水になりやすくなっています。脱水になると発汗機能が低下して、さらに体温調節が困難になります。
・小児、高齢者ともに自ら熱中症を予防する能力が乏しくなっています。
以上の理由から、小児は熱中症になりやすいため、暑い中での屋外活動には注意が必要となります。
WBGTの確認だけでなく、屋外活動を行う際には、事前に十分な睡眠と栄養、水分の摂取が重要となります。
これらを十分に行った場合でも、もし少しぼーっとしていたり、息が荒く呼吸回数が多い、脈が速いなどの兆候が見られた時は注意が必要です。
特に低学年児童の場合、自分の症状を的確に言い表すことができないため、単に「足がつった」などの訴えがあった場合でも、単なる疲労と判断せず、熱中症の初期症状を見逃さないように注意しなければなりません。
顔の紅潮や、大量の発汗は体温が上昇していることを示す熱中症の初期症状でありますし、また逆に全く汗をかかない状態も体温低下という重要な機能が働いてないことを示しており注意が必要です。
重要なことは、いつもと様子が違うということを察知して、熱中症の初期症状を見逃さず適切な対応を迅速にとることです。
最後に
これからまだまだ暑い日が続きます。
今回は熱中症で亡くなる方や、救急搬送される方が少なくなることを祈ってブログを書きました。
薬剤師としてできることは限られていますが、できる範囲のことでこれからも尽力していきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
Reference
1) https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/
2) https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/31_nettyusyo/